頻度
一般成人には0.001% neurofibromatosisの患者には4.6%に見られる
Ducatman BS, Cancer. 1986;57(10):2006-2021.
性差、好発年齢
- 20-50歳
- neurofibromatosisの患者は早い段階から見られる(平均32歳)
- 80% in neurofibromatosis cases are men
- 56% of patients with sporadic tumors are men
半数は神経線維腫症(neurofibromatosis, von Recklinghausen症)に合併して起こるとされるが、残りはこれとは無関係にde novo に発生するとされている
Ducatman BS, Cancer. 1986;57(10):2006-2021.
四肢に好発し、数か月で大きくなる無痛性腫瘤
疼痛、運動障害、感覚障害がみられることがある。
Von Recklinghausen‘s diseaseの有無にかかわらず、様々なneuronal tumorsの組織形成はneural crest cells の分化の違いによる神経堤障害の概念に基づく。
Neural crest cellsは、 melanocyte, adrenal medulla, root ganglia, Schwann cellsなどに分化する。
Bolande RP. Human Pathology. 1974;5(4):409-429.
副腎由来の褐色細胞腫とMPNST、 ganglioneuromaとMPNSTなどのいわゆるcomposite tumorsがあり、この概念を支持している。
WHO の分類でも末梢神経由来の悪性腫瘍が必ずしもSchwann 細胞のみの増殖からなるのではなく、神経周膜細胞などの関与も考えられることから、悪性末梢神経鞘腫瘍(malignant peripheral nervesheath tumor)を含んだ広い内容を示す疾患名を用いている
MRI所見
- 斑状の造影効果、内部の出血、壊死 (symptomatic patients 7/7, asymptomatic patients 3/43)
- asymptomatic 40 patients had tumors of relatively homogeneous structure on T1- and T2-weighted images before and after contrast enhancement.
Friedrich RE. Anticancer Res. 2005 May-Jun;25(3A):1699-702.
病理所見
- HE所見
- 悪性神経鞘腫の組織学的特徴は,長紡錘形の腫瘍細胞が束状,扇状に密に配列し,核の柵状配列を示さず,間質が粘液性となって腫瘍が離開し波状になる.
- 核は分裂像を示し,クロマチン量が増量し,異型性が出現する.
- 免疫組織学的染色
- S-100蛋白,NSE 抗体が高率に陽性.
- デスミン,ビメンチン,アクチン,ミオシンに対する抗体が陰性であることが,補助診断.
- S-100蛋白の陽性率は,50~90%である.
治療
- 広範切除が最も有効であるが,それが困難な場合,確立された治療方
- 法はなく予後不良である。
- 放射線抵抗性とされているが,完全切除不能例に術後照射をすすめる報告もある。
- 化学療法:報告例が少なく治療法として確立されていない。
予後
- 5生率 43.7%
- 再発 40% with local recurrence
- 転移 Lung, bone, pleura, and retroperitoneum
- Regional lymph nodes rare
- Tumor tends to spread along nerve sheath and may enter the subarachnoid space