画像診断には一般撮影(CR)、MRI、CT、核医学検査、マンモグラフィ、消化管造影などの各種造影検査、血管造影、骨塩定量(DXA法)など があります。
それぞれにメリットとデメリットがあります。そのため、複数の検査を受診しなければいけないこともあります。各医療機関で検査を受けていただくことになります。
検査を受けた後の画像は、専門医によって読影といって、詳細に異常があるかないか、異常があれば良性か悪性かなどの詳しい診断を受けるのが理想的です。
いわゆるレントゲンといわれる検査です。レントゲンがX線を発見して以来、医療分野では、まず最初の画像診断として広く利用されています。
特に骨折・骨病変の診断レントゲンは骨病変の診断に最も有効であり、現在でも骨折の診断には最も有用な検査方法の一つです。
胸部も肺癌、肺炎、結核、胸水、気胸をはじめとし、非常に多くの肺病変の診断に利用されています。
腹部では腸閉塞や腹水、腹腔内、胆石、尿路結石の空気の様子を診断するのに利用されるます。ときには、X線を通さない造影剤(バリウムなど)を経口・経静脈的に投与したのちに撮影することで、普通は描出されない消化管や血管の様子も診断できます。
一般撮影に比べMRI、CTのほうが画像の有用性が高い場合もあるが、X線撮影は簡便性や経済性に優れています。、さらに近年ではデジタル化され、その特長を生かして被曝の軽減と、より良い画像の提供が行われます。
MRI検査では様々な方向から体の断面を撮像できます。頭部や下肢では造影剤を用いずに血管を描出することもできます。MRI検査は磁気を使用しているため、X線被曝がないことが特徴です。狭い筒の中に入って、撮像部位に機械(コイル)をかぶせて検査します。工事現場のような大きい音がするため驚かれるかもしれませんが、無害ですのでご安心ください。検査時間は10分から30分ほどです。
ただ、狭い筒の中に入りますので、狭いところが苦手な方は検査が難しいことがあります。また、体内に金属や精密機器を埋め込んでおられる方は検査ができないことがありますので、主治医や検査担当技師にご相談ください。
CT装置とは、X線管球が身体の周りを回転して情報を収集し、その情報をコンピュータ解析し、身体のあらゆる部位の輪切りの画像を作りだせる診断装置です。そのため、撮影の際には寝台に寝ていただき、機械の中に入っていって撮影する必要があります。
CT検査は緊急性に優れ、全身どこでも検査できるので、現在の医療において最も重要な検査の一つになっています。
造影剤という薬を注射して検査を行う場合があります。造影剤を使用することにより、病変の存在、形態や性状などがより詳しく描出されます。喘息のかたなどでは検査が受けられないこともありますので、主治医や検査担当技師にご相談ください。
検査時間は検査内容により異なりますが、5分から30分ぐらいです。
画像診断の特別なトレーニングを受けた医師が診断すれば、非常に多くのことが分かる検査です。精査が必要なときはまず選択されることが多く、実際に検査を受けられたことがあるかたも多いかと思われます。
造影剤を使用して血管の形態、血流状態を連続的に撮影することにより、動脈あるいは静脈の病変を診断する検査法です。先天性心疾患、血管性病変(動脈瘤・静脈瘤・動静脈奇形・動脈硬化、あるいは血栓症による血管の狭窄および閉塞など)の診断や、脳、肺、肝臓、腎臓および四肢などの腫瘤性病変の診断などを目的に行われています。
股の付け根や、手首から鉛筆の芯程度の細い管を体の中に入れて、検査を行います。CTやMRIと比べると大変な検査になります。
しかし、診断だけではなく血管内手術といわれるような、血管の狭窄部位を拡げる血管拡張術、腫瘤を栄養する動脈を人為的に閉塞させる動脈閉塞術などできるようになっています。
かつては胸やお腹を大きく切って行っていた手術の代わりの治療が行えます。
検査とすれば大変な検査になると思われますが、治療まで行える点が大きなメリットになります。
核医学検査はRI検査やアイソトープ検査とも呼ばれていて、ごく微量の放射性物質(ラジオアイソトープ:RI)を含む薬を用いて病気を診断する検査です。各検査の目的に応じた放射性薬剤が注射などにより体内に入ると、特定の臓器に集まりそこから放射線を発します。この放射線をガンマカメラ(シンチカメラ)と呼ばれる特別なカメラで体外から測定し、その分布を画像にします。これをシンチグラフィといいます。
核医学検査の一番の特徴が、CTやMRIが形態を評価して診断していたのに対し、機能を評価できる点が上げられます。そのため非常に鋭敏な検査であり、他の検査では分からない病気を見つけることもあります。苦痛も無く副作用も非常に少ない検査で、多くの病気の診断に利用されています。
ただ、特定の疾患には敏感ですが、それ以外の病気の診断ができないことがあります。そのため、多くの場合は他の検査と組み合わせて検査が実施されると思われます。
検査は放射性医薬品を体内に投与(注射・飲用)し、実際の検査を受けるまでに
検査の種類によって5分後〜数日後と大きな開きがあります。撮影される時間も20分から40分ほどと長くなっており、時間をおいて複数回実施されることもあります。
マンモグラフィでは、乳房を圧迫し、上下、左右の2方向から撮影を行います。乳房を圧迫することで、より診断しやすい写真になりますが、圧迫によって痛みの生じる方もおられます。 このため、「マンモグラフィは痛い」と聞いて検査をためらう方も多いと思われますが、痛みには個人差があり、また、緊張せずにリラックスして検査を受けていただいたくことで、痛みはかなり軽減するといわれています。乳房が張る生理前を避けて検査を受けていただくことも重要です。
骨塩定量検査とは、主に骨粗しょう症の診断に使用される検査で、骨密度をX線を用いて測定します。骨密度の測定方法は様々な方法があります。
骨粗しょう症とは骨がスカスカになり骨折しやすくなる病気です。早期に発見し、適切な治療を受けることで骨折の危険を減らすことができます。