月別アーカイブ: 2013年10月

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読影していると目が疲れますよね。JINS Moisture+JINS PCを試す。

読影をしていると目が疲れますよね。一日中パソコンの画面を見ているので当たり前といえば当たり前かもしれません。
最近よく目にするようになったブルーライトカットのレンズですが、あまり信用はしていなかったのですが、眼科の先生が白内障術後に挿入されるIOLには基本的にブルーライトカットの加工が施行されているとおっしゃっていたので、ちょっと気になって試してみることにしました。あまりお値段も高くないですので。

実際に購入していく前にホームページなどを検索してみると、JINSモイスチャーという製品ものも目につきました。ドライアイ対策をする商品のようです。せっかくですのでメガネのフレームもこれにしてみました。ただ、このJINSモイスチャー製品はもうあまり置いてないようで、僕が買いに行ったお店ではバックヤードから出てきた2つの商品しかありませんでした。

透明なフレームと黒いフレームでしたが、透明なフレームはカミさんに評判が悪かったので黒のフレームの方を購入しました。しかし、実際使ってみると透明なフレームの方が良かったと思えます。理由は後で説明します。

まず、効果の方なのですが、結論から言うと実際に目の疲れは大きく改善されました。
僕の考察ではおそらく僕の今までの目における自覚症状の多くがドライアイにきいんするものだったと考えられ、その症状に対してJINSモイスチャーがとても効果を発しているように思われます。

jins

上記のように、目を覆うような構造してるので単純に目が乾きづらくなっているのだと思われます。ただ1つ問題点があって、目を覆うような構造なので横がほとんど見えなくなります。
読影しているときはいいのですが、このメガネをかけたまま外出かけたりするとちょっと振り返ったりしても後は見えなくなったりして、非常に怖い感じがします。なので、フレームは透明なものの方が良かったかなぁとは思われます。

ブルーライトカットに関しては、よくはわかりません。僕は屈折率の高い、薄いレンズを選択したので、レンズ自体が若干色がついています。なので、最初の印象として眩しさみたいなものはだいぶ減りました。ただ、これは可視光線もカットしているような気がするので、ブルーライトがどうのは実感できていません。

なにはともあれ症状が大きく改善したのでとても満足しています。JINSモイスチャーはもしかしたらゲットしづらくなってるような気がするので、もう1つ予備に買っておこうかなと考えています。

遠隔画像診断した疾患;左上大静脈遺残(PLSVC: persistent left superior vena cava)

ネタ切れしてきたので、読影中にみた疾患の説明をシリーズ化します!
これなら、定期的にネタができて、勉強にもなり一石二鳥です。
個人情報の関係もあるんで、症例提示はしません。あくまで疾患の説明です。

第一弾は左上大静脈遺残(PLSVC: persistent left superior vena cava)です。

  • 頻度は一般剖検例において 0.4% 程度、先天性心疾患の患者では 2~4%に合併
  • 胎生期には上大静脈は左右に2本あり、本来であれば発生の過程で右側で一本に合流してゆく。胎生期の左前主静脈が何らかの原因で閉塞しなかった場合に発生
  • 左右両方に上大静脈がある場合は重複上大静脈
  • PLSVCは冠静脈洞(coronary sinus)に開口することがほとんど
  • 左心房に直接還流する例もあり、PLSVC 全体の中でも 1~4% ときわめて少ない
  • coronary sinusは拡大していることが多い(10mm以上)。
  • 左上肢の点滴ラインよりマイクロバブルの入った液体を注入するとcoronary sinusに泡が出現することで確定診断
  • PLSVCそのものは治療が必要ではない
  • PLSVC の大多数は臨床的に無症状であり、左鎖骨下静脈からの心臓ペースメーカー、もしくは中心静脈カテーテル挿入時に偶然発見されたという報告が多い
  • 体外循環をまわす際などの手順が異なるので注意
  • 冠静脈洞に開口している場合、CVカテーテルを留置すると、血栓を形成することがある
  • まれに、拡大したcoronary sinusのLA側に窓状の欠損をともない、そこを経由するL→Rシャントを併発するものがある

今回経験した症例もCVカテーテルのカテ先の確認したところ、位置がおかしいとCTの依頼がされました。冠静脈洞に開口している場合、CVカテーテルを留置すると、血栓を形成することがあるとされている文献がある旨を主治医に伝えたところ、念のためCVカテーテルを留置し直すこととなりました。
経験的にもカテ先に血栓がついていることはよく経験されるので、留置し直す方がリスクが少ないと思われました。
解剖の正常変異や挿入物の位置異常に関しても読影するようにしています。

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3Dプリンターって、どうなるんでしょう。3D液晶みたいになっちゃうんですかね。

ここで3Dプリンターのことが書かれています。

いちばん言い得て妙だなと思ったことがホームベーカリーのくだりです。ホームベーカリーが安価で手に入るようになっても実際に家でパンを焼く人はほとんどおらず、食パンを買ってくるでしょって話です。

実はこの話はDicom関連のOSSの話をするときに、よく、じゃーうちの病院のPACSをそれでくめるかな?みたいに言われたときに、ぼくも上記のたとえをよく出していたので、共感を覚えました。

実際にできるかもしれませんが、やるのが煩雑だったり、出来合いのもの買ってきてしまったほうがクオリティが高かったり、安くすんだりしますものね。
3Dプリンターになったら何でも自動的にできてしまうみたいな話をされますが、今度は3Dの元データを作るのが大変になってくるって話になるんじゃないでしょうか。

金属の加工もOKだとされていますが、でも、できるものっていわゆる鋳物ですよね?専門家ではないので違うのかもしれませんが、あまり強度が出ないような気がします。

個人でも購入できてしまうような価格帯の商品も出てきていますが、作成途中に発生するガスに体に有害なものも含まれているものもあるようなので注意が必要だなと思いました。もちろん、プラモデルを作ってるだけでも、体によくないものが発生しうるので、程度問題だとは思います。

プリンターの普及によって手書きで書くしかなかった頃に比べて、素人が作るものでもプロ並みのQualityを見せることができるようになったように、素人レベルのDIYレベルを大きく押し上げる可能性はあると思います。あとは試作品の作成とかですかね。

昔は真っ先に新しいものに飛びついていたのに、買ったら何ができるかとかいろいろ考えちゃうのは、おっさんになってきたんでしょうか。

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DICOM送信プログラムを作成しました。

disk上にあるdicom画像を一括してサーバーに送信したいその時はよくあると思われます。

例えば他の医療機関から持ち込まれたCDやDVD 、新しいサーバにリプレースした時の古いサーバーの画像データなどです。

送信するだけのプログラムだとCUIであったり、GUIがあるものはフル機能がそろっていたりして、しかもwindowsだと、なかなかfreeなものはなかったりします。

なので、PC上の指定したディレクトリのサブディレクトリも含めたすべてのdicom画像をスキャンし、on-the-flyでdecompressionしながら、送信してくれて、GUI完備のプログラムを自作しました。

sousinn1

アイコンは商用可のfreeなアイコンを配っているサイトからいただきました。

sousinn2

プログラムを立ち上げるとこんな感じの画面です。どうですか?説明されなくても何となく使い方が分かりませんか?だって、ボタン2つしかないですものね。

送信先はあらかじめ設定した場所にしか送信できないようにしました。dicom画像が入ってるフォルダを選択してもらって後は送信を押すだけです。プログラムを作っているといろいろ機能を入れたくなりますが、使ってもらう人が迷わないように極力simpleにしました。

CDや、USBメモリのデータを送信することだけを念頭に置いて、ドライブレターを選択だけして、後は送信する形に変更するかもしれませんが、とりあえずver 1.0が完成です。

osirix

OsiriX MD を購入してみました。

OsiriX MD (オザイリックスMD)は、Mac OS X用のFDA:米国食品医薬品局認可版です。

厚生労働省会議室で行われた議事録の、平成19年12月6日先進医療専門家会議議事録にも、ソフトウェアは薬事対象外とされているようですし、そもそも、日本なので、FDAに認証されていようがいまいが関係はないのですが、なぜ購入したかと言いますと、

まずは、立ち上げるたびに出る警告(医療用には使用してはいけませんみたいな感じです:くどいようですが外国での話)を消すのがめんどくさかったことが一つ。

何より、1000程度の枚数の画像になってくるとメモリが足りませんと警告が出て、画像が満足に見れなかったからです。これはフリー版のosirixが32ビットで、64 bit版のものを買えば改善したのですが、MD版と64 bit版に価格差があまりなかったのでMD版を買ってみました。

上記の問題は解決しました。それ以外の使いかっては当たり前といえば当たり前なのですが無料版と違いはありません。

OsiriX MD FDA-Cleared / CE Labeled ¥68,200 JPY
OsiriX 64-bit Extension Site License¥104,900 JPY
OsiriX 64-bit Extension Single User¥41,900 JPY
Osirix User Manual ¥10,400 JPY

通常のソフトからみると大分高い気もしますが、他のFDA認可をとり販売されているソフト(ClearCanvasやeFilm)と比較するとお安いです。

国産のトップビューアーと比べれば使いかってが劣る部分もありますが、全ての面で勝っているビューアーは無い気がします。そもそも、国内メーカーでstandaloneで動くものを除けばビューアーを切り売りしているところはない気がするので、システム全体を購入せねばならず、100倍近い額がかかるのではないでしょうか。
また、国内で販売されているしょぼいビューアーと比べれば、値段は1/100で、使いかっては勝ります。

後輩の子が行ってる病院でで画像のビューアーにosirixが使われている施設があるそうです。また、先輩がやってる遠隔読影もosirixを使ってるところがあるそうです。2人ともかなり使い勝手が悪いと言っていましたが、よくよく話を聞くと、レポートメーカーが別のパソコンにあり、osirixとレポートメーカーとの連動は無いそうです。各々の機能はちゃんとしてても、システム全体としての連携が悪いので印象が悪くなっていたのだと思います。free故に適当に導入され、ぽんとおいてあるだけの状態じゃ、まさに宝の持ち腐れです。

当社の遠隔読影・遠隔画像診断システムは、連携ばっちりですので、統一感のある、高い完成度になっています。