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AmiVoice Smart for Radiologyを試す。

音声認識ソフトのAmivoiceが提供するサービスです。

iPhone®またはiPod touch®を音声入力デバイスとして、場所を選ばずに音声認識ができます。

PCやMacにレシーバーソフトをインストールし、iPhoneで音声を認識し、クラウド上で処理したものをPCもしくはMacに転送するといった感じです。
今までのサービスあればソフトをインストールしたパソコンでしか使えませんでしたが、これは個人にライセンスされているようで、使う場所を選ばないというのがメリットだと思われます。
また、アミボイスやその他の音声認識ソフトでも医療用辞書を搭載した音声認識ソフトでMacintoshに対応しているものはないので、その点もMacユーザーにとっては大きなポイントになると思われます。

ただ、不安があるのはiPhoneから転送するという部分です。ソフトの使い勝手が悪いんじゃないかと僕も思っていました。そこで、体験版はないのかとメールをしたところ体験版を用意してくれたのでチェックしてみました。

まず、レシーバーソフトの出来はいいです。レシーバーのソフトによる使い勝手の悪さはありません。普通にソフトをインストールしたのと同様に使用できます。変な遅延などはありません。

ただの全く問題がないかと言われれば、そうではありません。

デメリット

  • iPhone上で録音および、転送のボタン押さなければいけないのだで、タッチパネル上での操作になります。なので、ボタンの位置が指先の感覚だけでは把握できず、それぞれのボタン押す前にいちど目を落とさなければなりません。ボタンのレイアウトは3パターン用意されているのですが、どれもいまいちです。右側に録音ボタン、左側に転送ボタンくらいはっきりしたレイアウトがほしいものです。
  • またハンドマイクを使っているような体勢で発音するとiPhoneのマイクは本体の下側についているため、うまく認識されません。ただ、これはiPhoneを上下逆に持つことによって改善されました。
  • インストールするソフトのように、個人のアカウントが作れないので、音声を学習して言ってくれていない様子です。アミボイスは使いはじめから、高い認識効率を示しますが、しかし、やっぱり使い込んだほうが使い勝手は上昇しています。使い始めの若干使いずらいかんじがずっと続きます。
  • クラウド上で認識を行っているためか認識に若干のもたつきがあります。そのため、文章の終わりに早口で”改行”などというと認識されません。
  • 無線LAN環境が必要

メリット

  • 単語登録、定型文登録などは提供されておりその点は問題ありません
  • 価格ですがソフトの放射線科版が80万円程度することを考えると、5000円/月。2年の一括払いであれば10万円という価格はかなり魅力的に思われます。
  • Mac対応
  • 使う場所を選ばない

また、自分がテストで使用した端末はiPhone 4でした。iPhone5sなどの本能機能が上昇することによって、先ほどの細かいラグなどは解決されている可能性もあります。

認識効率が思ったよりも良くはなかったですが、レシーバーソフトのできがすごく良くて良かったです。自分はすでにソフトを持っているので買うことはないように思われますが、新規に購入する人には十分選択肢に入ると思われます。

nat025

遠隔画像診断した疾患;嚢胞性線維症( cystic fibrosis;CF)

  • 嚢胞性線維症( cystic fibrosis;CF)は全身の外分泌腺機能障害不全に基づく疾病
  • 特に膵と肺の病変の頻度が高い。
  • 膵臓と気道の粘液分泌線に極めて粘調な分泌液が生産されこれを閉塞することと、汗中への過剰の電解質が失われるのが特徴である。

疫学

  • 白色人種の中ではもっとも頻度の高い重篤な常染色体劣性の遺伝性疾患(出生児約2,500人あたり1人)
  • わが国では発症率は出生10万~35万人あたり1人程度

歴史

  • 1938年:膵臓と肺を冒す疾患として初めて記載された。
  • その後全身の外分泌臓器の疾患であることが明らかにされた
  • 1989年:cAMP依存性Cl-チャネルcystic fibrosis transmembrane conductance regu1ator(CFTR)をコードする原因遺伝子が単離された。
  • 日本のCF遺伝子変異が欧米のそれとは異なることが確認されており、欧米人用のスクリーニングシステムを用いても変異が検出されないと考えられる。

臨床病状

  • n難治性の下気道感染症と末期の呼吸不全を伴う呼吸器病変,膵外分泌機能不全, 胎便イレウスなどの消化管病変が代表的なものである。さらに、CFではそのほかにも胆管,汗腺,生殖器など全身の外分泌腺臓器が障害される。

呼吸器症状

  • ほぼ全例のCF患者に認められる。
  • 全CF症例の死因の約95%を肺病変が占める。

細気管支レベルの粘液の貯留、塞栓を形成

細菌(とくに緑膿菌と黄色ブドウ球菌、インフルエンザ桿菌)が粘液栓に定着

持続性の感染や炎症が成立する。

気管支は拡張し、そこにさらに粘液が貯留する

  • 悪循環が絶えることなく繰り返される。その結果、気管支拡張は増悪し、肺高血圧や肺性心を伴った呼吸不全をきたし、多くが死に至る
  • 気道病変は出生後に生ずるものであり、過分泌や異常な気道分泌物の貯留が先行し、感染の成立は二次的な病態である。

画像所見

  • 病態を反映して生後一ヶ月頃より肺尖部と背側の肺葉を中心にfingerlikeな粘液栓が見られるようになる。
  • 6ヶ月を過ぎる頃にはほぼ全例に気管支の円柱状、嚢胞状拡張を認める。拡張した気管内に粘液が駐留しair-fluid levelが見られることもある。
  • また、炎症を反映して肺門から広がる線状陰影や気管支壁の肥厚(peribronchial cuffing )が見られる。
  • 炎症により二次的に肺門、縦隔リンパ節の腫大を認める。
  • 肺の正常構造は破壊され肺気腫様のbullaも認められ、肺は過膨張する。
  • 肺動脈圧は上昇し肺動脈は拡大する。
  • 斑状の濃度上昇が認められ、部分的な無気肺を反映していると思われる
nat032

経済効果って、完全に定着しましたよね。

何かあるたびに経済効果はうんたらって必ずいわれるようになりましたよね。
僕もかなり小さい頃にいわれだした気がするので、若い子はいつから始まったなんて認識はしてないのかもしれません。

そもそも、経済効果ってあることをした場合に、それが経済に与える影響。一般的には「予測」されるもので、実際にそれがどの程度あったのか測定されることは稀らしいです。天気予報ですらあたらないですものね。その予想する人が、思いついた項目だけがカウントされていくだけのものです。
また、どれだけ「金が動くか」の指標であって「それだけの富が生まれる」わけではないことにも注意が必要です。
オリンピックでバンバンものを作ればどんどん加算されていく訳です。外国の人がきてくれたりして、お金を使ってくれて日本がどんだけ儲かったって話ではない訳です。

すごい額の数字が並んでインパクトがあって、かつ、誰かに聞きにいけば適当に教えてくれるお手軽な数値だからこんだけはやったんでしょう。
真剣に算出しなければいけないものだったら、そのたんびにコストがかかってしまいますものね。

だから何だって感じですが、ネットみてたらつい気になったもので、特に何の落ちもありません。すいません。

nat032

遠隔画像診断した疾患;炎症性偽腫瘍 (inflammatory pseudotumor)

  • 1953年に Pack GTにより第一の報告があった。
  • Inflammatory pseudotumor can be defined as a localized mass consisting of a fibrous stroma, chronic inflammatory infiltrates with a predominance of plasma cells, and an absence of anaplasia, which mimic malignant disease by their gross appearance.
  • Inflammatory pseudotumors of the liver tend to be large, solitary masses, but multiple tumors have been found
  • Occlusive phlebitis of relatively large portal vein has been reported in some cases
  • Results of tissue culture or specific stain were negative for microorganisms in most instances

症状

  • 熱、心窩部痛、嘔吐、全身倦怠、体重減少。
  • 炎症性偽腫瘍が胆管を侵す場合、黄疸は発現する可能性がある。

血液検査

  • 白血球増加症と赤血球沈降速度の亢進。
  • 肝機能検査の結果は正常またはわずかに上昇する可能性がある。
  • 腫瘍マーカーは常に陰性で、鑑別診断にとって重要である。

CT所見

  • fibrous stromaの割合によって異なるが、delayed enhancementされることがある。

MRI所見

  • 腫瘍内部の凝固壊死により、間実質とT2WIで等信号のことが多いが、炎症の程度により高信号に描出されることもある。

The history of primary malignant tumors and the absence of fibrotic septum or linear appearance within the mass and the most of lesions were hyperintense on T2WI could help the differentiation.

World J Gastroentero,2001;7(3):422-424

nat025

病理の画像を貼りあわせたりするのに、Microsoft ICEが便利ですよ。

Microsoft ICE(Microsoft Image Composite Editor)は、Microsoft Research(マイクロソフトの研究部門)が開発したソフトです。なので、急に開発が止まったりする危険性が低いと思いますし、Quolityも高いソフトです。
入局した頃から使っているので、10年近くちゃんと更新されています。(もっと以前からあったと思います)
どんなソフトかというと、パノラマ写真を簡単に作成できます。貼りあわせたい複数の写真をドラッグ&ドロップするだけで、つなぎ目のない写真が作れます。まぁ、これだと、あんまり関係ないかなと興味がわかない人が多いと思いますが、自分がよく使っていたのが病理の取り込んだ写真を貼り合わせるのに使っていました。

弱拡のレンズで変えてとればいいのですが、自分の大学では第一病理と第二病理が有り、弱拡のレンズは第二病理にしかなかったのです。僕が出入りしていたのは第一病理だったので、若干行くのが億劫だったのです。行けばすぐ貸してくれるのですけどね。
学会でも、たまに、自分で頑張って張り合わせたんだろうなという絵を出されてる先生がいます。
このソフトを使えば自動的にかつ、コントラストも合わせてくれますので、本当に繋ぎ目がわからないほどの出来栄えになります。
radiologic-pathologic-collerationするならば入れておいて損はないと思います。freeですしね。
最新バージョンは動画もあわせられるみたいですが、必要がないようであれば前のバージョンを入れたほうが安定しているかもしれません。

Microsoft Visual C++ 2010 ランタイムライブラリというものを入れないといけないのですが、詳しい手順はMicrosoftICEで検索すれば解説しているページがあるので、そこを参照してください