カテゴリー別アーカイブ: 遠隔読影

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DICOM送信プログラムを作成しました。

disk上にあるdicom画像を一括してサーバーに送信したいその時はよくあると思われます。

例えば他の医療機関から持ち込まれたCDやDVD 、新しいサーバにリプレースした時の古いサーバーの画像データなどです。

送信するだけのプログラムだとCUIであったり、GUIがあるものはフル機能がそろっていたりして、しかもwindowsだと、なかなかfreeなものはなかったりします。

なので、PC上の指定したディレクトリのサブディレクトリも含めたすべてのdicom画像をスキャンし、on-the-flyでdecompressionしながら、送信してくれて、GUI完備のプログラムを自作しました。

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アイコンは商用可のfreeなアイコンを配っているサイトからいただきました。

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プログラムを立ち上げるとこんな感じの画面です。どうですか?説明されなくても何となく使い方が分かりませんか?だって、ボタン2つしかないですものね。

送信先はあらかじめ設定した場所にしか送信できないようにしました。dicom画像が入ってるフォルダを選択してもらって後は送信を押すだけです。プログラムを作っているといろいろ機能を入れたくなりますが、使ってもらう人が迷わないように極力simpleにしました。

CDや、USBメモリのデータを送信することだけを念頭に置いて、ドライブレターを選択だけして、後は送信する形に変更するかもしれませんが、とりあえずver 1.0が完成です。

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OsiriX MD を購入してみました。

OsiriX MD (オザイリックスMD)は、Mac OS X用のFDA:米国食品医薬品局認可版です。

厚生労働省会議室で行われた議事録の、平成19年12月6日先進医療専門家会議議事録にも、ソフトウェアは薬事対象外とされているようですし、そもそも、日本なので、FDAに認証されていようがいまいが関係はないのですが、なぜ購入したかと言いますと、

まずは、立ち上げるたびに出る警告(医療用には使用してはいけませんみたいな感じです:くどいようですが外国での話)を消すのがめんどくさかったことが一つ。

何より、1000程度の枚数の画像になってくるとメモリが足りませんと警告が出て、画像が満足に見れなかったからです。これはフリー版のosirixが32ビットで、64 bit版のものを買えば改善したのですが、MD版と64 bit版に価格差があまりなかったのでMD版を買ってみました。

上記の問題は解決しました。それ以外の使いかっては当たり前といえば当たり前なのですが無料版と違いはありません。

OsiriX MD FDA-Cleared / CE Labeled ¥68,200 JPY
OsiriX 64-bit Extension Site License¥104,900 JPY
OsiriX 64-bit Extension Single User¥41,900 JPY
Osirix User Manual ¥10,400 JPY

通常のソフトからみると大分高い気もしますが、他のFDA認可をとり販売されているソフト(ClearCanvasやeFilm)と比較するとお安いです。

国産のトップビューアーと比べれば使いかってが劣る部分もありますが、全ての面で勝っているビューアーは無い気がします。そもそも、国内メーカーでstandaloneで動くものを除けばビューアーを切り売りしているところはない気がするので、システム全体を購入せねばならず、100倍近い額がかかるのではないでしょうか。
また、国内で販売されているしょぼいビューアーと比べれば、値段は1/100で、使いかっては勝ります。

後輩の子が行ってる病院でで画像のビューアーにosirixが使われている施設があるそうです。また、先輩がやってる遠隔読影もosirixを使ってるところがあるそうです。2人ともかなり使い勝手が悪いと言っていましたが、よくよく話を聞くと、レポートメーカーが別のパソコンにあり、osirixとレポートメーカーとの連動は無いそうです。各々の機能はちゃんとしてても、システム全体としての連携が悪いので印象が悪くなっていたのだと思います。free故に適当に導入され、ぽんとおいてあるだけの状態じゃ、まさに宝の持ち腐れです。

当社の遠隔読影・遠隔画像診断システムは、連携ばっちりですので、統一感のある、高い完成度になっています。

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外国病院の遠隔読影

ベトナムの病院の遠隔画像診断を日本人医師がするサービスが開始されたとのことです。

逆のパターンは聞いたことがあるのですが、日本人医師が読影するんですね。レポートはやっぱり英語なのでしょうか。コストはいくらなんだろうとか、いろいろ気になります。
資格的にも日本のライセンスでいけちゃうんですかね。

TPPで医療分野が開放されれば更に進むのでしょうか。実際に患者を診療している科は日本語の壁によって比較的守られそうですが、放射線科などの検査部門は開放されたら厳しいかも、、、
なんて、考えていたら、逆に打って出ているところもあるのですね。

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OsirixHDの説明ページを作成しました。

iOS端末で画像を見られるようにするためのアプリです。こちらでご覧ください。
昔はiPhone用とiPad用が分かれていましたが、今は一つのようです。29.99ドルです。好きなお好きな場所で画像が見られるようになります。とても便利なので是非試してみてください。

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遠隔画像診断医に絶対必要なもの

以前、足の裏にイボができて、皮膚科に液体窒素で焼いてもらうために受診したことがあります。最初3つ見られており、いちばん大きな1つはきれいになくなってしまいましたが、小さかった2つが若干残っていたので、久々にもう一度焼いてもらおうと受診した時のことです。大きなイボがあったことを、皮膚科の先生は全く覚えてない様子でした。
画像診断医が画像で勝負するよう、皮膚科医にとっては皮膚の所見が重要な診断根拠となっていると思っていたので意外でした。

自分がみた画像をどれくらい覚えているかは人によると思いますが、素晴らしい画像診断医は数年前に診断した画像のことでも覚えていたりします。

他の科でも、自分がまだ医学部の学生だった頃に、小児外科の先生ですが過去の手術台帳のどこをめくっても、名前を言えば、病歴、術式、診断名をすべて覚えていらっしゃる先生がいました。

自分が経験した症例の画像を覚えていかないと経験値が全く上がっていかないと思います。それこそ、外科医がやった手術を次から忘れていったら腕が上がらないようにです。

同じ病気でも様々な画像所見を呈します。その様々な画像所見のぶれを記憶し、自分の中でデータベースを作っていくことによって、単純に言葉では言い表せないような所見をとらえ、まさに職人芸と言われるような画像診断ができていくものと考えます。

これは多くの画像を見ることによって地道にレベルアップしていくしかないことなので、この画像をたくさん見るという事こそが他科に対しての唯一であり、また最大の優位点であると思われます。

もちろん、単純にたくさん見ればいいと言ってるのではありません。漫然と何の記憶にも残さず、ただ流れるように画像見ているのであれば、見ていないのと同じです。なので、たくさん見ているからといって優秀な画像診断医とは言い切れないとは思います。

しかし、画像の数を十分に見ていない医師がすばらしい画像診断医師になることはあり得ないと思います。数学のように考えれば分かることではないので、経験しなきゃ分からないと思います。日々の症例を経験値に変換していける者だけが真の放射線科医になりうると考えます。