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fuyu59

遠隔画像診断した疾患;中脳周囲非動脈瘤性くも膜下出血Perimesencephalic nonaneurysmal SAH

出血源不明のSAH

  • n4-vesselstudyを行っても出血源を同定できないSAHが4-22%ある。
  • nangiogram-negative SAHは一般的に予後良好とされる

分類

  • 中脳周囲非動脈瘤性くも膜下出血(perimesencephalic nonaneurysmal SAH)
  • 脳底槽のびまん性ないし前方にあるSAH
  • CTもCAGも正常で、症状および髄液が出血を示唆する場合

Rinkel ら : Stroke24 : 1403, 1993

Perimesencephalic nonaneurysmal SAH

  • 血管撮影で陰性のSAHの21-68%をしめる。
  • 大抵50歳くらいの比較的若い層に多い。
  • 1/3の例で発症前に激しい活動を見る。
  • 発症時の症状は頭痛以外は正常である。
  • 経過は順調で、再出血や症候性血管攣縮は有位に低い。

Kawamura ら : ActaNeurochir (Wien) 106 : 110, 1990

 

  • 動脈瘤破裂例が10%の頻度で存在するので、脳血管撮影の再検は必須。

Kallmes ら: Radiology201 : 657, 1996

  • 出血原因は橋前ない脚間層における拡張静脈ないし静脈奇形 潜在性AVMの破裂が考えられる。

Ronkainen ら : ActaNeurochir (Wien) 119 : 29, 1992

画像所見

  • 中脳周囲槽を中心とした高吸収域。非対称性にみられる
  • シルビウス裂の基部(37%)にみられても外側シルビウス裂までひろがらない。
  • 半球間裂後半部(17%)に見られても前半間裂にまで広がらない。
  • 脚間槽(96%)
  • 一側または両側の視交叉槽に広がる(46%)
  • 迂回槽(88%)
  • 一部四丘板槽(19%)

予後

  • 活動制限は不要で、2~3週間後に退院させその後正常生活にもどらせる。
fuyu68

CT、MRIの読み方、トレーニング方法

うちのブログの1番の人気記事が以前書いたCT、MRIの読み方という記事です。

ちょっと意外な結果です。画像の見方は人によって違うといった趣旨の記事ですが、おそらく、そのような記事が人気を集めるとは思いにくいので、検索してみて来ていただいたかたの多くがCT、MRIの読み方のhow toを期待してきたのではないかと思っています。

なので、how toに関する記事を書こうかなと思ったのですが、なかなか難しいですよね。大学にいた頃も学生さんや、研修医のかたから読み方を教えてほしいなどとよく言われたものですが、そんなにすぐ教えられるものではないですよね。別に出し渋っているわけではないのです。

たとえば、テレビで牧場の人がこの牛は可愛いとかいっている場面を見たことがないでしょうか?僕からも見たらどの牛も一緒に見えます。また、競馬のパドックの中継で解説者がすごいきれいな馬だとか、いい体格だなんて言ってる時も、僕には他の馬との違いがわかりません。
外人の顔が同じに見える人は多いのではないでしょうか?外人からすると日本人の顔はみんな一緒に見えるそうです。

何を言いたいかというと見慣れると細かな違いが見えてくるということです。なので、これは、写真を見慣れてくると異常がわかるということです。
何が異常か?との問いの答えは正常でないところが異常だといえます。
普段見ているのと一緒、他の人と同じ部分が正常である可能性が高いです。

なので、これはとにかく多く見るしか身に付ける方法はないと思います。実際、患者を診察することがすくない放射線科読影医師にとって他科に対する唯一のアドバンテージで、最大のアドバンテージなっていると思います。実際1日中画像見ているというのは放射線科以外ではできないとおもいます。外来をやって病棟やった後に放射線科医が1日掛けてみた数と同じ数の画像見るのは多くの人ができるとは思えないからです。

正直、初学者の方たちは教科書に載っているキー画像を見てもどこが異常かわからないぐらいのレベルじゃないでしょうか。実際、僕は最初の頃はそのレベルだった記憶があります。キー画像があって、その全てにシェーマが書いてあって、画像の解説している本を見たときに、なんていい本なんだとか思ったのを覚えています。
キー画像は誰が見てもわかると思われる、本当に典型的な症例を選んでいるにもかかわらず最初はわからないんですよね。
このような段階で教科書を読んでもあまり意味はないような気がします。
とにかく異常であることに気づくのが1番大事な気がします。異常であることが気づければ、誰かに聞くなり調べるなりなんとかなるものです。

では、どれくらい画像見ればいいのかということですが、人によって違うとは思いますが自分は専門医の1次試験の受験直前ぐらいだったように思われます。後輩などを見ていると人によって違いますがやはり同じぐらい時間かかってるように思えます。
見えるようになったなーとおもって、しばらくすると今まで見えていなかったものが見えるようになってきて、急にそれが異常かどうか気になるようになります。その状態でさらに症例を重ねて、それが正常だか正常でないか自分の中での正常のデータベースの微調整・形成していきます。そのような壁を何回か越えた後に全部見えたなぁと思えるようになってくるのものだと思います。

なので、読影のトレーニング方法はまず最初の段階ではいっぱい見るということだけだと思われます。そのような環境に身をおける唯一の方法は放射線科に入局することだと思います。
なんじゃそらってな結論ですいません。

fuyu68

遠隔画像診断した疾患;3型先天性嚢胞性腺腫様肺奇形(先天性肺気道奇形)(congenital pulmonary airway malformation type 3)

  • 肺の形成過程で気管支の閉塞機転の起こる時期と閉鎖のレベルにより先天性肺嚢胞性疾患の病因を一元的に説明しようとする考え方もある。
  • Stockerは1977年に嚢胞の大きさによりCCAMを三型に分類した。
  • その後1994年にはこの概念を病変の気道レベルと関連させて拡大し、Congenital Pulmonary Airway Malformation(CPAM)としてさらに広い範囲の肺嚢胞性疾患を包括して五型に分けた新分類が提唱された。(この新しい概念は注目を集めているが、完全なコンセンサスは得られていない。)

CCAMのストーカー(Stoker)分類

  • I 型大きいのう胞(通常、2cm以上)からなる
  • II 型多数の小さいのう胞(通常、1cm以下)からなる
  • III 型 微細なのう胞(通常、5mm以下)のため肉眼ではのう胞が明らかでない

Congenital Pulmonary airway malformation (CPAM, 先天性肺気道奇形)

Epidemiology

  • すべての先天性肺病変の25%
  • 4-26%の症例は、他の先天異常と関係していることがありえる。
  • 推定発病率:25,000-35,000妊娠につき1つの症例。

Subtypes

  • CPAM type 0 – acinar dysplasia (rare)
  • CPAM type 1 – bronchial/bronchiolar (65%)
  • CPAM type 2 – bronchiolar (20~25%)
  • CPAM type 3 – bronchiolar/alveolar duct(8%)
  • CPAM type 4 – peripheral (rare)

CPAM type 3

  • 3型CPAMはしばしば非常に大きく、全て、またはいくつかの葉に影響を及ぼす。
  • 腺房由来の異常で、末しょう気道または気腔の腺腫様増殖から成る。
  • 嚢胞と個体組織の混成から成る可能性があるか、完全にsolidに見える可能性がある。
  • 分化の不足があるので、妊娠の初期に発症すると考えられる。
  • 嚢胞は直径0.5cm未満で、非繊毛性立方上皮によって内側を覆われる。
  • 他の構築物は、繊毛性立方上皮によって沿って並ばれる。
  • 非常に薄い線維筋性の層と増加した弾性組織が存在し、2型病変と類似している。
  • 粘液を分泌している細胞と軟骨はない。
  • CPAMは散発的に起こる、そして、出現は母系要因(例えば人種、年齢または暴露量)に関連がない。
  • ほぼCPAMの出生前診断を有する患者の半分が出生時無症候性であるにもかかわらず、CPAMの予後はそのサブタイプに依存する。
  • CPAM 3型は、もっとも重篤な型の一つである。

合併奇形

pulmonary malformations

  • extralobar sequestration
  • bronchial atresia
  • polyalveolar lobe

renal malformations

  • cystic renal disease
  • renal agenesis

ovarian germ cell hypoplasia

malignant tumors

  • pleuropulmonary blastoma (bilateral type 4 CCAM with stromal cellularity) (14%)
  • rhabdomyosarcoma
  • bronchioloalveolar carcinoma (31% of type 1 CCAM)

chromosomal anomalies

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遠隔画像診断した疾患;血管内リンパ腫(intravascular lymphoma: IVL)

  • 循環血液内で増殖している腫瘍細胞が脳と脊髄の両方でびまん性梗塞を引き起こす。
  • 血管板の腫瘍細胞は血栓症をしばしば伴う。
  • 影響を受けた血管のサイズと分布に従い、さまざまな臨床症状を示す。
  • 皮膚小結節またはプラークを伴う。(しばしば末梢血管拡張を合併する)
  • 特徴的な変化は、悪性リンパ腫細胞による脳や髄膜での小さい血管の拡張と閉鎖。
  • 中型の血管で見つからない。

画像所見

  • T2強調画像上で、大脳白質のpatchy high signal lesions。
  • 脳実質と脊髄または脊髄円錐に同時に見られる高信号病変は、血管内悪性リンパ腫症に特徴的。
  • T2WIhigh signal lesionsは拡散強調画像で高信号。

拡散強調画像の上で高い信号強度を示している白質病変の鑑別診断は

  • progressive multifocal leukoence phalopathy
  • gliomatosis cerebri
  • demyelinating disease, such as multiple sclerosis
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遠隔画像診断した疾患;強直性脊椎炎(Ankylosing spondylitis )

  • 脊椎(背骨)や仙腸関節(仙椎と骨盤との間にある関節)、股関節や肩の関節などに炎症(痛みや腫れなど)が起こるいくつかの病気をまとめて脊椎関節炎とよばれ、強直性脊椎炎はその中の代表的な病気。
  • ヒト白血球抗原であるHLAのうち、ある特定の遺伝子型(HLA-B27)をもつ人が多い。
  • 脊椎、仙腸関節、股関節、 肩関節などの大関節の他、付着部病変もみられる。

疫学・頻度

  • 人種差あり。ドイツでは成人の1%に発病。一般的に白人では0.5%、日本人ではその10分の1以下
  • 日本人ではHLA-B27をもつ人は少ない
  • 中国・韓国人には日本人と比較してHLA-B27をもつ人が多い

男女比・発症年齢

  • 発病の年齢は10歳から35歳と思春期、青年期に多く、45歳以上で発病することは希
  • 男性に多い

病因

  • 現在のところ原因不明
  • HLA-B27との関連性が以前より注目

遺伝

  • HLA遺伝子は、両親とも陽性の場合は100%、片親が陽性の場合は50%の確率でこどもに引き継がれる。
  • しかし、HLA-B27陽性でも多くの場合(80%以上)、発病することはないので、親がHLA-B27をもち強直性脊椎炎があったとしても、脊椎関節炎を疑わない限りこどもがHLA-B27をもっているかどうかを検査する必要はない。

症状

  • 腰椎や仙腸関節(腰の下方にある)が侵される。
  • 適度な運動をすると痛みが楽になり、動かさないでいると悪くなるのが特徴で、夜間や朝方に強い痛みが起こる。
  • 症状に波があるのも特徴。
  • 脊椎が硬く動かなくなりますが、骨自体は骨粗鬆症によりもろくなる。
  • 眼の急性の炎症(虹彩炎)が3分の1程度。
  • 全身的には、初期には体重減少、疲労感、発熱、貧血。
  • 重大な骨外合併症として、心ブロックと大動脈閉鎖不全症などがあり、失神を起こすこともあるので注意が必要である。

診断・所見

  • 臨床的な診断には改訂NewYork基準(1984年)が用いられるが、 単純X線写真上の股関節の変化によっているので、早期診断は困難。
  • 脊椎病変は胸腰椎あるいは腰仙椎移行部よりはじまることが多く,病気の進行とともに全脊椎に広がっていく。
  • 最初に起きる椎体病変の単純X線所見は、 椎体辺縁のerosionによる欠損像でRomanus lesionといわれる。その周囲には硬化性変化を伴っており、 shiny cornerといわれる。これらの変化が進行すると椎体全体が四角にみえるようになり、squaringといわれる。
  • MRIではRomanus lesionよりも早期に活動性のenthesitisを指摘できると報告されており、椎体隅角にT1強調像で低信号、 T2強調像で高信号、造影後増強効果を示す。
  • 靭帯組織の骨化がsyndesmophyteといわれる。このような病変が両側対称性に多部位に連続して進展すると竹のような形態となり, bamboo spineとなる。
  • その他、破壊性の病変が椎体終板付近に形成されることもあり、限局性に終板が侵されればSchmorl結節。びまん性の破壊により輪郭が不整になり、不明瞭化すれAnderson病変と呼ばれる。
  • 強直性脊椎炎では仙腸関節炎が必発であり、CTでは単純写真では指摘できない仙腸関節炎による微小なerosionや硬化性変化を捉えることができる。MRIでは活動性炎症が存在すると、仙腸関節周囲にbonemarrow edema patternの信号変化を示す。

periosteal new bone formation:骨膜の浮腫により生ずる病変。RAではまれであり、脊椎関節炎(乾癬性性関節炎、反応性関節炎、強直性脊椎炎など)に見られる所見。

腸腰靭帯、仙結節靭帯の骨化:健常人においても見られるが,強直性脊椎炎(Ankylosing spondylitis)節炎(reactivearthritis, Reiter症候群)やびまん性特発性骨増殖症(diffuseidiopathic skeletal hyperostosis ;DISH)にみられることもあり、指摘しておくのが望ましい。

足底腱膜の付着部の棘状変化:慢性の足底腱膜炎、強直性脊椎炎の付着部変化の可能性