頭蓋内の結核
- 結核性髄膜炎(頻度が高い)
- 頭蓋内結核腫
- 膿瘍,脳炎,粟粒結核(まれ)
中枢性の結核
- 結核全体の約5~10%
- ほとんどが血行性感染である。
- AIDS患者においては4~19%にみられる。
病理所見
- 膠様の滲出物による髄膜の混濁と肥厚が特徴的である。
- この変化は脳底部の脳槽に最も強い
- 「脳底髄膜炎」とも称される。
画像所見
- 脳底部脳槽がTl強調像では等信号。
- T2強調像やFLAIR像では高信号となる。
- FLAIR sulcal hyperintensity
- 造影後には髄膜の増強効果が見られる。
- 肉芽腫がリング状・結節状の増強効果を示す。
髄膜の異常増強効果を示す疾患
- DA(dura-arachnoid)型
限局性:髄膜腫などでのdural tail sign、悪性腫瘍の硬膜転移、開頭術やシャント術後、サルコイドーシス、関節リウマチ(リウマチ結節)、硬膜動静脈痩・脳梗塞・脳内出血の近傍の硬膜、頭蓋の腫瘍・炎症の近傍の硬膜、髄外造血巣
びまん牲:開頭術やシャント術後、クモ膜下出血後、superficial siderosis、髄膜炎(癌性髄膜炎を含む)、ムコ多糖症、spontaneous intracranial hypotension, idiopathic hypertrophic cranial pachymeningitis
- PS(pia-subarachnoid space)型
限局性:サルコイドーシス
びまん性:クモ膜下出血後、各種薬剤の髄注、髄膜炎(癌性髄膜炎を含む)、サルコイドーシス、histiocytosis
脳底髄膜炎の鑑別
脳底部のクモ膜下腔を主体とした変化は,結核性髄膜炎にかなり特徴的。
- コクシジオイデス症:米国西南部、中南米
- クリプトコッカス症
肉芽腫性髄膜炎の鑑別疾患
- サルコイド一シス
- 真菌性髄膜炎(クリプトコッカスなど)
- 梅毒性髄膜炎
- 癌性髄膜炎
- 嚢胞条虫症:結核腫が目立つとき
T スポット®.TB とは
- Interferon Gamma Release Assay (インターフェロンγ遊離試験,以下IGRA)
- BCG 接種や非結核性抗酸菌の影響を受けない
- 日本では 2000 年のはじめころからクォンティフェロン®TB (以下,QFT)が使われるようになっていた
- Tスポット®..TB(以下,T Spot)は IGRA の一つ
- QFT よりも感度は高い、特異度は低いとの報告が多かったが 、変わらないとの報告もあり。