疫学
一般男性の15%に精索静脈瘤が認められ、男性不妊症患者の40%以上に認められる。(治療可能な男性不妊の一番の原因)
病理学
蔓状静脈叢は通常、精巣の温度を35度程度に保つために働いているが、精索静脈瘤の患者では37度ほどにもなる
徐々に増悪する傾向がある
原因
プライマリーとセカンダリーに分けられる
プライマリー精索静脈瘤
ほとんどの精索静脈瘤がプライマリーで、静脈の弁の欠損によって引き起こされる
セカンダリー精索静脈瘤
腹腔内腫瘤や、左腎静脈血栓、門脈圧亢進症などによって精巣静脈の厚の上昇によって引き起こされる
両側静脈瘤はまれ ( ≈ 15 %)、右側のみはもっとまれ( ≈ 5%).
臨床症状
無症状
陰嚢内mass(こりこりしたものを触れるなど)
陰嚢腫大
陰嚢痛
精巣萎縮
男性不妊
画像診断
超音波
蔓状静脈叢の3mm以上の拡張、特徴的な蛇行した所見が見られる
バルサルバ法で逆流が確認できる
CT
造影で拡張した精巣静脈が描出できる
MRI
拡張した静脈叢が描出でききる
low flowならT1強調像で等信号、T2強調像で高信号
high flowなら信号欠損として描出される
造影すれば造影される。
@普段あまりこの分野は画像診断の対象になることがないと思われるので、まずは正常像を正しく認識することが重要と思われる。正常が頭に入っていれば自ずと診断できる。
治療
男性不妊の際に考慮される
高位結紮術、顕微鏡低位結紮術、腹腔鏡下結紮術、経皮的塞栓術