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遠隔画像診断した疾患:類骨骨腫/骨芽細胞腫(osteoidosteoma/osteoblastoma)


類骨骨腫と骨芽細胞腫の病理組織像は同一で血管に富む未熟な骨および類骨組織を有するnidusと、その周囲の反応性の骨形成を特徴とする良性腫湯である。

nidusが2cm以下を類骨腫、 2cm以上を骨芽細胞腫とすることが多く、骨芽細胞腫では増殖傾向がある。

骨芽細胞腫には3つのパターン

  • ABC類似。
  • osteoid osteoma類似:ただし、nidusが大きい。2cm以上。このタイプの鑑別はBrodie膿瘍。
  • 著明な骨破壊と骨新生が混在し、周囲に腫瘤を形成して進展するもの。:骨肉腫やmetastasisなどのmalignancy

 

  • 類骨骨腫の好発年齢は5 ~25歳で男性に多い。
  • 大腿骨、脛骨などの長管骨骨幹部、骨幹端に好発し,約10%で脊椎に発生する。
  • 脊椎では腰椎の後方成分に多い。
  • ほかに手足の骨などさまざまな部位に生じ、関節内/骨端に生じた場合は関節痛、可動域制限、関節液貯留などの関節炎に類似した症状を呈する。
  • 骨芽細胞腫は10~30歳代の男性に多く 、50%は脊椎椎体にみられ、大腿骨や脛骨にもみられる。

単純X線写真

  • 類円形透亮像としてnidus
  • 周囲の反応性骨硬化像を伴う
  • 関節内/骨端病変では骨肥厚がみられないことが多い。
  • nidusの中心部に密な石灰化が認められる。
  • 診断にはnidusの同定が必要であるが、小さな場合は指摘が困難なことが多く、薄いスライス厚のCTやMPR再構成像が有用である。
  • nidusの石灰化は単純写真で25%、CTで50%にみられる

nidusのMRI所見はT1強調像で中等度から低信号、T2強調像で高信号。

石灰化がある場合は、同定が困難なことが多い。周囲には多様な反応性変化を伴い、広範な場合もある。

Eur. Radiol. 1996 6 [cited 2010 Sep 6];6(3).