正常
- 起始部は長頭と短頭に分かれる。
- 長頭は肩甲骨関節上結節~上腕二頭筋長頭腱として関節包内、上腕骨結節間溝~大部分は橈骨粗面に停止。一部は尺骨の前腕筋膜に停止。
- 短頭は肩甲骨烏口突起~大部分は橈骨粗面に停止。一部は尺骨の前腕筋膜に停止。
- 支配神経は筋皮神経。
- 前腕の屈曲と回外。
- 屈曲時には上腕筋、烏口腕筋などと共に協調して働く。
- 前腕屈曲位の拮抗筋は上腕三頭筋。
- 前腕の回外は回外筋、腕橈骨筋などと協調して働く。
上腕二頭筋腱長頭腱断裂
- 上腕二頭筋は長頭と短頭の2つからなり、炎症や断裂のほとんどが長頭側でおこる
- 断裂した場合、断裂直後は肩から上腕にかけて痛みがでるが、痛みは数日で落ち着くことがほとんど
- その後、皮下出血や腫脹がみられ、力こぶの出来る位置がずれる
- 上腕二頭筋長頭腱炎:野球やバレーボール・水泳。中高年の人では、特に運動をしていなくても肩関節周囲炎の一つの症状として発生
- 炎症や刺激が繰り返し起こることで、徐々に弱化していき変性した結果、断裂に至る場合と一度の外傷で断裂に至ることがある。
- 上腕二頭筋長頭腱が断裂した場合、受傷部以外の上腕二頭筋腱と肘関節屈曲に働く他の筋群があるため、若干の筋力低下あるが、機能上は問題がなく、年配者では完全に断裂してもそのままの状態で保存的治療が施されることがほとんど。
- MRIでは長頭腱の欠損または狭小化が認められる。断裂した腱が遠位側に退縮すると横断像で結節間溝に腱が同定できなくなるが細い腱が癒着して残っていることもある