- 好発年齢、性差はない。
- 低Na血症の急速補正により、Osmotic Myelinolysis(OM)が発症することは広く知られている。
- Central Pontine Myelinolysis(CPM):橋中心に病変を認めるもの。
- Extrapontine Myelinolysis(EPM):それ以外の部位に病変を認めるもの。
- 病変はCTでは等から低吸収域、MRIではT1WIで低信号域、T2WI、FLAIRで高信号域を左右対称性に認める。
- OMは電解質異常、慢性アルコール中毒、栄養不良等、慢性的な衰弱状態などでみられる脱髄性疾患である。
- 多くは低Na血症の急速補正により発生するが、その背景に、低栄養や糖尿病、慢性腎不全、肝不全などを有する。
発生機序
発生機序については種々の説があり、
- 低Na血症に伴う浮腫による圧迫により脱髄が起こるとする説
- 浸透圧負荷による血管内皮細胞の障害とそれに引き続き起こる髄鞘障害因子の放出、並びに血液脳関門での血管透過性亢進による浮腫が原因とする説
- 灰白質が周囲のOligodendroglial Cellから栄養分を奪い、その結果、脱髄が起こるとする説が考えられている
- OMの好発部位は橋、大脳基底核、視床、外包、尾状核、中脳、灰白質白質移行部である。
- 病理学的には灰白質の中を細い束、ないし単独で走行する有髄線維の髄鞘が選択的に侵され、神経細胞、軸索、小血管は比較的保たれる。