カテゴリー別アーカイブ: 医療

fuyu68

遠隔画像診断した疾患;エルシニア腸炎(Yersinia enterocolitica,Y. ent)

原因菌

  • Yersinia enterocolitica(腸炎エルシニア,Y. ent)
  • Y. pseudotuberculosis(仮性結核菌,Y. pstb)

症状

発熱、下痢、 RLQ pain

感染経路

汚染された山水や井戸水、豚肉の摂取などがある。

診断

  • 菌分離か、血清抗体価の上昇による。
  • 菌の検出には、25℃、48時間の培養と増菌法の併用が重要
  • 血清抗体価は、単血清では160倍以上、ペア血清では2倍以上の上昇を陽性とする。

治療

消化器症状が中心の場合は食事療法や対症療法が中心

約10%に川崎病の診断基準を満たす症例があり、川崎病として取り扱う。

約10%に主に急性間質性腎炎による急性腎不全を合併する。治療は支持療法が主体であり、予後は良好。

画像所見

  • enlarged mesenteric lymph nodes
  • isolated ileal wall thickening (33%)
  • colonic wall thickening (18%)
  • @visualization of entire normal appendix is necessary to differentiate from acute appendicitis

Mesenteric Adenitis

  • Appendicitis
  • Yersinia enterocolitica,Y.pseudotuberculosis
  • Crohn disease
  • Viral infection

(Radiology 1997;202:145-149)

Thick,Small Bowel Folds(Distal Bowel)

With narrowing

  • Crohn’s disease
  • Tuberculosis
  • Behcet’s disease

Without narrowing

  • Yersinia/Campylobacter
  • Salmonella
  • Lymphoma

(Fundamentals of diagnostic radiology 743)

まとめ

菌の検出のために、特殊な培養法を用いるので、疑わないと診断できない。

fuyu59

遠隔画像診断した疾患;珪肺(Silicosis)

基本事項

  • 珪石のほこりを吸入し、肺の組織に炎症を生じ瘢痕を残すことによって引き起こされた呼吸器疾患。
  • 職業:サンドブラスト、採石場、採掘、ガラス吹き、製陶
  • シリカは最も頻度の高い元素であるため、あらゆる地殻に存在している
  • 一般的に結核のriskは上昇する

分類

  • 単純性塵肺症:1cm未満の微小結節、上肺野に多い。肺門/縦隔リンパ節腫大。卵殻状石灰化
  • 複雑性塵肺症:進行性塊状線維症を形成、空洞を作ることがある。
  • 急性シリカ蛋白症:肺胞蛋白症に類似
  • ※Caplan症候群:炭坑夫塵肺+関節リウマチ+壊死性小結節

画像所見

一般的特徴

  • 上肺野優位
  • 気管支血管束・強膜下に沿って小結節が分布する
  • 暴露後10-20年後に所見が見られる。

単純性塵肺症

  • 1-3mmの小結節
  • 小結節が石灰化することがある
  • 肺門・縦隔のリンパ節腫大。卵殻状石灰化

複雑性塵肺症

  • 小結節は、PMF( Progressive massive fibrosis )へと集簇する
  • 無定形の石灰化を有する場合や、空洞を形成する場合もある。
  • PMFの抹消は気腫状になる:気胸のRiskがある

急性シリカ蛋白症

  • air bronchogramを伴う蝶形陰影を示す肺蛋白症のパターン
  • 肺門縦隔リンパ節腫大
  • 数ヶ月かけて急速に進行
  • 後期に繊維化、構造改変、ブラ、気胸が生じる

肺の病変分布はリンパ流に依存する分布

  • リンパ流は呼吸のダイナミックスに影響を受けるが、最も重要な駆動力は肺動脈圧である。
  • 下肺野>>上肺野
  • 気道から進入してきた病原体や粒子
  •     ①気道粘膜の線毛運動によって喀出
  •     ②マクロファージに貪食されてリンパ系にはいり排出

Progressive massive fibrosis

珪石のほこりを吸入し、肺の組織に炎症を生じ瘢痕を残す

気管支血管束・強膜下に沿って小結節が分布する。

小結節は集簇し早期の進行性塊状線維症を形成する。

GradeⅠ PMF最大径>1.5cm <5cm
GradeⅡ PMF最大径≧5cm <10cm
GradeⅢ PMF最大径>10cm

鑑別診断

  • サルコイドーシス:職業性被爆はなく、PMFの頻度は低い
  • 結核:小結節は集簇して腫瘤を形成することはなく、小結節の密度は低い
  • Langerhans細胞組織球症:胸膜下に小結節を呈する頻度は低く、PMFはなく、膿疱を生じる。
  • 過敏性肺臓炎:胸膜下に小結節を呈する頻度は低く、PMFはなく、主として中肺野に見られる。

Multiple Pulmonary Calcifications

  • 感染   1.Histoplasmosis  2.結核 3.水痘
  • 塵肺   1.Silicosis
  • その他  1.Hypercalcemia 2.Mitral stenosis 3.Alveolar microlithiasis

症状

  • 単純性珪肺では寿命は標準的
  • 複雑性のPMFでは、呼吸不全・気胸・悪性腫瘍・結核により死亡をきたす
  • シリカ蛋白症:2-3年以内に死亡
fuyu1

デルから4Kモニタが発売予定

すでにDellは11月28日にIGZOパネルの32インチ4KモニタディスプレイUP3214Qを発売しています。

追加して24インチモデルとなるUP2414Qを12月16日に、さらに販売価格が1000ドル(約10万円)を切ると予想される28inchのモデルも投入するそうです。

UP2414Qは価格は約14万円だそうです。

このパネルを使った他社のモデルも続々登場してくると思われます。

遠隔画像診断に関係するのは、マンモグラフィーの読影の際でしょうか。ご存知のようにマンモの読影には高解像度が必要とされており、5Mのモニターが必要とされてきました。

4Kモニターは8Mモニターとなりますが横で2面表示すると、4Mになっちゃいますし、縦に二面表示する感じでしょうか、上下がやたら長くなりますが、ワイドモニターなのでスクエアの5Mと同じ感じになるんじゃないでしょうか。

来年のITEMとかで、どこか展示するところも出てきますかね。

5Mのモニターは100万円くらいしますし、4Kモニターで代用できるようになればだいぶお安くなりそうですね。グラボも普及品で良くなりそうですしね。

fuyu1

遠隔画像診断した疾患;硬化性腸骨骨炎(Osteitis condensans ilii)

  • 単純X-pにおいて腸骨に局所的な効果像を見ることがある。通常、仙腸関節に隣接して下方のおよび中間部分を含む。
  • Barsony and Polgar が 1928に報告している。”sclerosing bone disease, easily demonstrable by x-ray and confined to the os ilii“
  • 硬化性腸骨炎は、男性より女性で見つかる良好な状態である。
  • 基本的に放射線学的診断である。
  • 原因として最も有力な仮説は、①恥骨結合の不安定性による仙腸関節のストレス。②妊娠によって脈管質を増加させた。
  • 臨床的所見は通常穏やかである。
  • 腰または殿部痛を呈している患者のイメージングの際発見される。
  • 炎症性の関節所見が通常、存在しないにもかかわらず、朝のこわばり、運動制限と多発性関節痛が起こる可能性もある。

画像所見

  • 関節裂隙は保たれている
  • Erosions はない。
  • 骨硬化像はX-pでは三角形状
  • Osteophyteの形成はない。

鑑別診断

  • 血清陰性脊椎関節症
  • 硬化性腸骨骨炎
  • 腎性骨ジストロフィー
  • 原発性上皮小体機能亢進
  • パジェット病
  • 骨転移
  • リンパ腫
  • 変形性関節症
fuyu68

遠隔画像診断した疾患;膀胱破裂(rupture of urinary bladder)

外傷性膀胱破裂

-膀胱挫傷(膀胱壁のみにとどまった場合)

-膀胱破裂(全層に断裂が生じた場合)

  1. 腹膜内膀胱破裂:穿孔して腹腔内と交通した場合(膀胱頂部~後壁部分)。最も脆弱で、外力の影響を受けやすい膀胱頂部の破裂が最も多い。原因として腹腔内手術による医原性のものと尿で膀胱が膨張しているときに下腹部の外傷由来のものが考えられる。
  2. 腹膜外膀胱破裂:膀胱周囲で、腹腔外と交通した場合(膀胱側壁、前壁、三角部)。骨盤骨折と合併することが多い(75~80%) 。損傷部位は骨折部の近く膀胱頸部に多い。
  3. 腹膜内外膀胱破裂:①と②が合併した場合

自然膀胱破裂

  • 外力と思えない軽微な外力でも起こる。
  • 一般的に腹膜内破裂となる。
  • 発生率 1:126000
  • 死亡率 47% :due to chemical peritonitis and a bacterial peritonitis
  • 79%の症例が男性.
  • 膀胱の疾患(膀胱癌など)や膀胱壁が脆弱な高齢者に神経因性膀胱や前立腺肥大症の合併例または、多量の飲酒でも起こりうる。

血性尿素窒素、血清クレアチニン高値

  • 腹腔内膀胱破裂のため尿が腹腔内に貯留し、腹膜に分布する毛細血管を介して拡散・濾過・透析液ー血管内浸透圧較差にて尿毒素(Cre,K)が血管内に再吸収されている(逆腹膜透析) 。

BASAVARAJ, K.K. .J.R.Coll.Surg.Edinb., 46, October 2001, 316-317

A diagnosis of spontaneous perforation of the bladder should be considered in patients presenting with an acute abdomen in a relatively stable condition and blood biochemistry showing a disproportionately elevated urea and creatinine

Hematuria and an elevated level of blood urea nitrogen may help to diagnose a rupture of the urinary bladder in laboratory examinations.

腹腔内液貯留のdensity

  • 単純腹水、腸液:0~30HU
  • 乳糜腹水、尿:0HU
  • Biloma(血液を含まない,感染していない):20HU以下
  • 血液: 30~45HU(凝血塊は50以上)

Gore RM, Gore MD. Ascites and Peritoneal Fluid Collections.In:Textbook of Gastrointestinal Radiology.2nd Ed,W.B.Saunders,Philadelphia.1969-1979, 2000.