尿膜管癌の好発部位:膀胱頂部
頻度:全膀胱腫瘍の0.14%-2.7%
好発年齢:40 -70歳代
男女比: 3: 2
胎生期に臍帯と膀胱頂部を結ぶ尿膜管は出生時には退化して正中臍索となる尿膜管の退
化が不完全なことがある。
尿膜管遺残はその形態により尿膜管開存、尿膜管洞、尿膜管嚢胞、尿膜管憩室
尿膜管由来の良性腫療:腺腫、線維腫、線維腺腫、過誤腫(いずれも非常に稀)
腺癌が90%、膀胱がんの腺癌のうち34%
ムチン産生性腺腫の場合は石灰化を伴うことが多い
尿膜管癌の画像所見
充実性、嚢胞性のいずれもあり得る。
CTでは腫瘍内部は不均一で低吸収
MRIでは腫瘍内部は T1強調画像で低信号、 T2強調画像で不均一な高信号
感染を伴った尿膜管嚢胞と尿膜管癌の鑑別は困難(泌尿器のカンファレンスに膿瘍か癌かでよく症例が出された記憶がありますが、鑑別困難だった気がします。)
尿膜管癌の臨床症状:腹膜外に発生するため無症状のことも多い。あるときは肉眼的血尿、膀胱刺激症状、粘液排出、尿混濁など
尿膜管癌の予後は通常の膀胱癌より不良
膀胱頂部の腫瘍の鑑別:膀胱癌、膀胱粘膜下腫瘍(傍神経細胞腫、平滑筋腫)、尿膜管腫瘍