LLCはLimited Liability Companyの略になります。
LLCは、1970年代にアメリカで初めて法制化され、その後、急速に各州に普及しました。
アメリカにおけるLLCと同様の機能を果たしている企業組織形態として、イギリスのLLPやドイツのGmbH、フランスのSASがあります。
日本では、従来、アメリカのLLCに完全に相当する制度は用意されておらず、旧有限会社が最も近くその役割を果たしてきました。しかし、現在は法改正により有限会社の存続のみが認められ、新設は認められていません。そのため、会社法制の現代化の流れの中で成立した「会社法」(2006年5月1日施行)により、旧有限会社にかわるものとして「合同会社」が導入されました。
経済環境はかつての重厚長大型から知識集約型へと変遷してきており、”人”がかつてないほどに評価されるようになっています。つまり、構成員の持つ知識や能力が重視される時代になってきています。こうした流れを受け、株式会社のように資本集約型ではなく、構成員の能力、知識をより重視する人的資産重視型の組織形態の必要性が高まる中、海外における英国のLLP、米国のLLCに相当する新しい組織形態が日本でも求められるようになりました。
日本版LLCの利用場面として考えられるのはどのような場合でしょうか、資金力のある大企業と、先端技術を有するベンチャー企業が資金、技術などそれぞれの強みを持ち寄って共同事業を行う場合などに利用することがかんがえられます。大企業にとっては、Riskが限定され、ベンチャー企業にとってはチャンスが広がります。
ベンチャー企業に限らず、出資を募る必要がない場合も利用されており、特に外資系企業では採用されるケースが多くなっています。例えば、アップルジャパン合同会社、クロックスジャパン合同会社などがあります。
また、コンサルティング業やデザイン業など、個人の特殊な知識、能力などを必要とする事業を行うのにも適しています。個々が企業のために能力を発揮し、最小限の出資で起業できます。もちろん、法律事務所や監査法人など、専門家集団の組織としても利用価値が高いでしょう。まさに遠隔画像診断を行う、放射線科診断専門医という専門家集団の組織を形成するのに適した形態となっています 。
日本版LLCは従来型の組織形態に比べて経営の自由度が非常に高く、かつ構成員それぞれが個人の能力、知識、ノウハウを生かして、それぞれの貢献に見合った成果を手にすることができる組織形態です。こうした特徴を生かして、さまざまな分野で現在利用されています。
当社も起業時に株式会社にするべきか悩みましたが、株式会社も所謂1円起業が可能であり、株式会社だからという一定の信用のようなものも今はあまり大きくないのではないかと考えました。
画像診断という個々の専門知識を最も活かすことが出来る場を提供するためにLLC(合同会社)を選択しました。
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